高齢社会の背景 |
核家族の問題大家族とは対になる核家族は,日本では1960年の1,179万世帯から,1995年には2,576万世帯と2倍以上に増加しました。1970年代半ばがピークとなった増加率は減少しているものの、日本の約60%を占める核家族世帯が家族形態の中心であることは長い間変わっていません。. |
総急速に進む高齢化率~2.5人に1人が高齢者の時代~わが国の総人口は、2005年をピークに減少に転じています。65歳以上の人が総人口に占める割合のことを“高齢化率”といいますが、一般的にこの高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれています。 (参考) |
前期高齢者よりも多くなる後期高齢者国全体の高齢者の年齢構成を概観すると、現時点では65歳以上75歳未満の前期高齢者のほうが、75歳以上の後期高齢者よりも多いのですが、2020年以降にはこの比率が逆転し、後期高齢者のほうが多くなると推測されています。 (参考) 認知症高齢者の増加2002年9月現在の全国の認知症高齢者の数は約149万人とみられています。最近の調査によれば、団塊の世代がすべて65歳以上となる2015年には2倍の約302万人、さらには2035年には445万人になると推計されています。 |
「老老介護」や「認認介護」の問題高齢者の支え手となる15歳~64歳の生産年齢人口、いわゆる現役世代との比率をみてみると、1975年には1人の高齢者に対して8.6人の生産年齢人口がいました。しかし、2010年には高齢者1人に対して2.8人となり、今後、高齢化率が上昇し2025年には2.0人、2055年には1.3人で高齢者を支えなければなりません。 (参考) |
交通事故死よりも多い家庭内事故死厚生労働省人口動態統計によれば、2009年における65歳以上の高齢者の家庭内事故死は11,987人で、65歳以上の高齢者の交通事故死の3,789人を大きく上回っています。これを原因別にみると、浴槽内での溺死が最も多く、事故死総数の約3分の1にものぼっています。 (参考) 福祉住環境整備の重要性・必要性かつて高齢者が家長として生活していたころは、たとえ生活動作が不自由であっても、妻、嫁、娘といった主に女性の介護によって生活を維持していました。しかし、核家族化が進行し、一方で女性の社会進出が当然となってきた現在では、家庭内に以前のような介護力が存在しません。また2000年4月から始まった介護保険制度など、国や地方自治体によって様々な在宅福祉サービスが展開されていますが、高齢者の住生活を維持するまでには至っていないのが現状であります。 |
福祉住環境整備とリフォームの違い福祉住環境整備とリフォームとの大きな違いは、リフォームでは居住中の住宅の改築や改装を目的としますが、福祉住環境整備では、その高齢者が病気である場合、その症状がどのようなものか、家族が介助に協力できるか、家の壁は思わぬ加重がかかっても手すりが外れない構造なのか、予算はどれくらいで考えているのかなど、個々の事情に応じて住環境整備のプランニングをおこないます。 |
福祉住環境コーディネーター(FJC)とは福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害者に対して住みやすい住環境を提案する専門職として2001年に厚生労働省より認定された公的資格です。医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、建築士やケアマネージャー等各種専門職と連携をとりながらクライアント(依頼者・ご利用者)に適切な住宅改修プランを提示したり、福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスをおこないます。 |